フェデラーは2005年全米オープンの決勝をアガシと戦った。

アガシは35歳のハゲ坊主。選手としての最晩年だった。

フェデラーは20代前半のピチピチ。

 

新旧対決、世代交代という興味ももちろんあったのだが、

二人のたたずまいに痺れる試合だった。

淡々と勝負に徹し、自らに集中する。

観る私にも緊張感が伝わってくる。

フェデラーが感情を表したのは勝利を決めた一瞬だけだった。

 

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今年の全米オープンは若手のスペイン人アルカラスが制した。

彼の時代が始まった。

足もパワーもあり、小技ドロップショットも効果的に決める。

時代もあるのだろうが、この青年、ポイントを取るたびに拳を振り上げ、「バモス!」と大声を張り上げる。

うるさい! なんかはしたない。

 

気持ちが昂るほど冷静を貫く。

そういう美学はもう時代遅れなのだろうか。