島の人に「方言を教えてくれ」と言うと、十人が十人笑顔で身を乗り出してくる。
ところが、共通語とは何の関係もない単語ばかりのうえ、発音まで違うのだから、聞いているそばからほとんど忘れてしまう。
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シマンチュに教えてもらうまでもなく、耳で覚えた言葉もある。
一音で簡単だからだ。
「な」は、聞き返すときに使う疑問語だ。
「じょ」は、さあ行くぞ、帰るぞ、というシチュエーションで使う。
「と」は、おとーりの必須語。コップに注がれる酒を止めてもらうときに歯切れ良く言う。
(写真=友人のウリ畑)