元酒屋のT君はウイスキー分野における私の師匠です。
情報源であり供給源でもあります。
彼がチリにワイン調査に来た時のこと、ハイバという蟹を食べさせたら2日ほど寝込みました。蟹どころの福井のくせに蟹アレルギーだったのです。
+ + +
ずっと昔、T君から最初に渡された教科書が『BARレモンハート』(作・古谷三敏)でした。
ショットバーを舞台にした他愛ないおとぎ話のコミックですが、雑誌では1985年から長期連載が続いているそうです。
毎回1本の酒を取り上げ、マスターのうんちくにショートストーリーが交わって罪がない。
アマカには、第一巻からかなりの数の単行本が並んでいます。
ひとり酒のおともにぜひ。

チリではラテオジにお世話になりました。そのあと高級店で韓国焼肉も食べさせてもらいありがとうございました。小さい時からカニはおやつとして食べていましたが、あの年齢くらいからなぜかカニアレルギーが出るようになり私もびっくりしました。今福井もカニシーズン真っ只中ですが、観光客の人が食べているズワイガニ(オス)よりはセイコ(メス)の内子(甲羅の中にある未成熟卵)のほうがおいしいです。これで黒龍なんか飲んだら最高でしょう。でも開高健(福井へカニをよく食べに来ていたようです)の本にはズボが一番と書いてありました。ズボというのはズワイガニの未成熟体のことで、脱皮を繰り返していて実入りが悪く水っぽいので、市場には出回らずもっぱら子供のおやつでした。脚の関節近くを折ると身が簡単にズボっと抜けます、それでズボとか水ガニと呼ばれています。私的にはセイコ、ズボ、ズワイの順です。今はスーパーにも売っていますがズボの解禁時期はとても短いです。
チリはは1987、8年当たりだったろうか、記憶があいまいです。まだ今ほどチリワインが日本に入っていない頃で、私はチリで赤ワインの味を覚えました。まさかカシジェロデルディアブロが日本でポピュラーになるとは思ってもいませんでした。ああ、それよりなにより今が旬の越前ガニが食べたい!