アマカから6km(自転車で30分)
足もとの悪い真っ暗闇のトンネルを、頭をかがめて歩くこと30メートルほど。
ぽっかりと開いた出口からは、宮古島平良港方面と青々とした海峡を額縁絵のように見ることができます。
出口は崖の中腹にあり、すぐ下には手つかずの原生林が広がっています。
宮古島方面から上陸する敵軍を撃つには格好の場所であったと思われます。
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伊良部島にも太平洋戦争の爪痕がいくつか残っています。
件のトンネルは、軍が数カ月をかけて掘り進めました。
1944(昭和19)年から翌年にかけてのことです。
兵員だけではこと足りず、村の青壮年が召集されました。
ツルハシ、石斧、金棒を持参のうえ汗水を垂らした挙句、開通とともに終戦を迎えたそうです。
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トンネル入口は、伊良部島牧山展望台のすぐ下にあります。
付近に草ぼうぼうの遊歩道があるので、探検気分で散策してみるといいでしょう。