旅
19xx年 夏のプエルトモン6 201x年エンドロール
2021-03-12 旅
私にプエルトモンの仕事を依頼したのはサンティアゴのC社だった。 現地支配人のUさん(日本人)は私と同い年だ。 驚かせようと、何の連絡もせずにその事務所を訪ねた。 女性が一人で留守番していたが、彼の席は空いていた。 「Uさ …
19xx年 夏のプエルトモン5 そしてある夜…
2021-03-02 旅
日本の一流冷凍食品会社がチリアワビ(ロコ貝)の発注元だった。 東京本社から買い付けに来たKさんに適当に張り付いていればよい、というのが私の役柄だ。腰巾着の私までVIP待遇で悪くない。 ただし、Kさんは三ツ星ホテル、私とポ …
19xx年 夏のプエルトモン チロエ島、今
2021-03-01 旅
もう一人、重要な人物を忘れていた。 チロテchilote(チロエ島人)のクラウディオだ。 Rucalafという名のお洒落なレストランを営んでいる。Rucalafは当地語で「愉快な家」という意味だ。 クラウディオとは、お互 …
19xx年 夏のプエルトモン――マタさん
2021-02-27 旅
覚えているかたがいるかどうか。 ずっと前のことだが、回転寿司のネタに「チリ産ロコ貝」という売れ筋があった。 食感がアワビそっくりなので「チリアワビ」とも呼ばれた。 南半球の夏、プエルトモン近海の天然ロコ貝漁が解禁になる。 …
19xx年 夏のプエルトモン―アンヘル”モ”
2021-02-26 旅
プエルトモンの盛夏は2月だ。高緯度なので日が陰るとかなり涼しい。 アンヘルモ港は市街地からぶらぶら歩いて30分ほどにある。 最後の「モ」を強く発音するので、個人的には、港特有の情景とあわせてわくわくする名前なのだ。 アン …
19xx年 夏のプエルトモン
2021-02-25 旅
チリ南部の町プエルトモン。 首都サンティアゴからバスで一晩の距離にある。 フンボルト海流にはぐくまれる魚介が特産品だ。 旅の途中、ここでひと夏を過ごしたことがあった。 + + + 「日本向けの冷凍加工工場で …