わが師によると、明治から昭和の初期にかけて大谷光瑞という食徒がいた。
評判に左右されず、自身の舌以外何も信じないという潔さを身上に『食』を著した。
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私ですが、旅に出ると当然「地元の食堂」に入る。
特に探すわけではないので、行き当たりでふらっと戸を開けるのだが、このところ、それが悉く失敗している。
見る目が曇ったのか、目に留まる食堂が減ってしまったのか。
近年、大資本のチェーン飲食店は、駅前、観光地周辺、田舎、どこにでもある。しかも、とんかつも、天ぷらも、うどんも、安くて美味しいときている。
宮古島には吉野家と大戸屋しかないので、どれもこれも珍しい。
どっちを選ぶんだ、オレ。