ジャズのテナーサックス奏者ズート・シムズが、友人のパーティでジャムセッションを楽しんでいたときのエピソードが残されている。

「僕」はベーシストのビル・クロウである。

 

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そしてこれ以上はもう駄目というところまで来てから、やっと彼は次のソロイストに曲を譲った。椅子にぐたっと沈み込んで、肩越しに僕をふりかえると、乱杭歯を見せてにやっと笑った。

「なあ、楽器ひとつありゃ、人生は極楽だよな」と彼は言った。

 

(村上春樹訳)

 

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ズートのテナーは、田舎のおっさん風に心地よくスウィングする。イモっぽいと評されもするが私は大好きだ。

1977年のアルバムIf I’m luckyは愛聴盤です。