アマカから6km(自転車で30分)
伊良部島には山も川もないといわれていますが、山と名のつく場所が一つだけあります。
牧山。
海側から見るとガケの上、陸側からは坂の上。
山を見慣れている人は、山には見えません。しかし標高89mは島で一番高い地点です。
で、一応「山」なのでしょう。
* * *
ふつう「まきやま」と読みますが、「makizan」と書かれた標識もあります。
タカ(サシバ)の形をした展望台にはいつもやや強めの風が渡り、原初の緑とサンゴの海、伊良部島360度のパノラマを楽しめます。
右手には、完成すれば無料で通行できる日本最長の橋となる伊良部大橋。
左手には、宮古島を結ぶのどかなフェリー航路。
宮古島、池間島、来間島はもちろん、宮古島の向こうに大神島の頂上部分、条件さえよければ海のかなたに多良間の島影も望むことができます。
つまり、ここ牧山からは、水納島をのぞく宮古諸島の島七つがぜんぶ見えます。
* * *
早起きが得意ならば、朝日を見に行くことをおすすめします。
海からでなく宮古島から昇ります。
薄闇の中、燈火にきらきらする宮古島がほのぼのと明るくなり、やがて島のヘリがくれないに染まってゆくその移ろいの妙!