アマカから1km(自転車で5分)
伊良部島の佐良浜地区に水道が敷設されたのが1966年(昭和41)、島の7部落全部に送水が行きわたるのがその4年後のことといいますからそれほど昔のことではありません。
それ以前は、雨水もしくは共同井戸が庶民のよりどころでした。
ダキフガー、フナハガー、コヤガー、アラガー、サバウツガー、ンマガーなどが共同井戸として『伊良部村史』に載っています。
(「ガー」は「井戸」の意。全部の所在地を確認したわけではありませんが、いくつかは井戸跡として残されています。)
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カンザトガー(写真)もその一つです。
地上から5メートルほどの深さに大きく掘って石段と垣を組み、底に井戸本体があります。
説明書きには、「15世紀の開削で、今でも『生まれ元島の水』として神事に使われている」とありますが、井戸はすでに土で埋められており、水の姿は見えません。
あるいは、ここで神事だけが引き継がれているのでしょうか。